違いがわかる方に贈りたい汐うに
天野 天たつの商品は主にどのような用途でお使いいただいてるのでしょうか。
吉岡 天たつさんの商品はいろいろ食べていますが、よく買わせていただくのは「汐うに」。そして、「うに豆」と「もみわかめ」の3つが多いですね。旬や季節に合わせて使い分けています。
用途としては圧倒的に贈答用で、経営者や役員クラスの方に贈ることがほとんどです。なぜかというと、その方々は本物の味がわかっていらっしゃるから。違いが分かる方にこそ贈りたいと思っています。親しくしているアパレルメーカーの会長には数年前から汐うにを送っていますが、毎年楽しみに待ってくださっていますね。
天野 贈り物をされる時は、あらかじめどんなものがお好きかリサーチされるのでしょうか?
吉岡 特に調べるわけではありませんが、福井でお客様と会食していると、メニューに汐うにが出てくる時があるんです。「これは何ですか?」と尋ねるお客様に「日本三大珍味の雲丹です」とご説明すると、みなさんご存知ない方がほとんど。ウニというとみなさんムラサキウニをイメージする方が多いようですが、汐うにはバフンウニから作られることなどをご説明し、後日プレゼントします。汐うにはどういうものかわかっている方にこそ贈るもの。ですから、汐うにのことを知らない人に贈るには、非常にリスキーなプレゼントではあるんですよ。
天野 お贈りして、あまりお口に合わなかったというご経験もあったりしますか。
吉岡 初めての方に汐うにを手土産で持っていくことはありませんね。ちゃんと交流がある方で、相手の趣味や好みがわかっている方へのプレゼントにします。
プレゼントは相手の趣味を知らずにお渡ししても効果がありません。何かしら先に食してもらうような機会を持ってからお贈りするので、お客様の口に合わなかったということはないですね。そのような機会が持てなかった場合は、少量詰めの汐うにを用意して「小さいもので失礼かと思いますが、お好きな方とそうでない方がいらっしゃるので一度お試しください」とお渡しすることはあります。東京や大阪で会食する時に「皆さん一緒に食べてみましょうか」といった機会を設けることもありますね。
天野 海外に弊社の汐うにを持って行かれたことはありますか?
吉岡 もちろんありますよ。天たつさんの汐うにのファンはパリにもミラノにもいます。「福井に泊まった時に天たつさんに買物に行った」というミラノの方もおられました。そこで初めて自分で買って「こんなに高いんだってはじめて知った」と仰ってましたね。