安心安全の
取り組み
最先端の安全管理、味わいの向上
天たつでは、三つの温度帯を使い分けた熟成専用施設「雲丹蔵」を構えて味わいの向上に努め、また国際基準の衛生管理(対米HACCP認証)において最高評価を取得するなど、品質と安全性の両立に日々取り組んでいます。
全国の浜から選び抜いた国産ウニを、塩と熟成で最高の汐うにに磨き上げ、最良のブレンドを見極める。伝承の製法に科学の裏付けを加え、私たちはお客様に心からお喜び頂ける美味しい雲丹をお届けいたします。
施設最先端の安全管理
三つの温度帯で育む、極上の汐うに
熟成加工場「雲丹蔵」
天たつでは、ウニの加工製造専用施設「雲丹蔵(うにぐら)」を完備しております。3つの温度帯に分けた熟成倉庫を設置し、産地ごとに異なる味わいの汐うにを最適な温度で熟成・保管しております。
私たちは原料の産地ごとに温度管理を徹底することで熟成の進み具合を調整し、素材ごとに最も旨味が引き出されるタイミングを見極めます。熟成を早めたい場合は高めの温度帯へ、じっくり進めたい場合は低めの温度帯へそれぞれの熟成倉庫に振り分けます。

「雲丹蔵」の構想と背景について
「夏に作った汐うには、年を越えると甘くなる」――これは、先々代よりもはるか以前から受け継がれてきた話で、夏に作られた汐うにが半年ほど経ち、新しい年を迎えるころに甘みを増すという言い伝えです。
十一代目 天野準一も実際に、「年を越えると汐うにが甘くなる」という経験を重ねてまいりました。ある日のこと「この現象こそが汐うにの新たな美味しさを創り出すきっかけになるのではないか」と考え、2019年より福井県食品加工研究所様と共同研究を始めました。
その結果、一定期間保管した汐うには、熟成(消化酵素による自己分解)によって苦味や硫黄臭を発生させる、いわゆる嫌気風味の原因となる一部のアミノ酸が消失することが明らかになりました。
この研究成果を礎とし、汐うに熟成加工場「雲丹蔵」の構想を樹立。2年の歳月を費やして建設を進め、2022年11月、無事落成の運びとなりました。

対米輸出水産食品加工施設(対米HACCP)認証を
最高得点Level 1で取得
2024年7月4日、「越前仕立て汐うに」において対米輸出水産食品加工施設(対米HACCP)認証をlevel 1(最高得点)で認定され、FDA(アメリカ食品医薬品局)認定食品加工場として認定を頂きました。
対米HACCPとは
国際衛生基準 対米輸出水産食品加工施設(対米HACCP)とは、アメリカ合衆国向け水産食品を安全に輸出するための国際レベルの衛生管理基準です。現在日本国内で約500施設のみが認定を受けております(※1)。
製造から消費までの全過程で潜在的な危害を特定し、重要な管理点を監視します。この基準を満たすことで、認定施設はアメリカのみならず世界への水産食品輸出が認められ、国際市場での販売を行うことができます。
※1 日本食品認定機構WEB「 HACCP認定工場リスト」参照

伝統食品における国際基準の衛生管理の難しさ
十一代目 天野準一が初めて国際衛生基準HACCP講習を受けた際、「伝統食品、特に汐うには、国際基準の衛生管理は難しい」と示唆を受けました。しかし諦めることなく一つ一つ課題をクリアすることで、最高得点での認定を頂くことができました。安心安全で本当に美味しい福井の食文化「汐うに」を、日本のみならず世界の皆様にご賞味頂き、世界に、そして未来に感動を提供することが天たつ十一代目としての目標です。今後は対EU HACCP認証取得に向け取り組んでまいります。
ひと味わいの向上
全国を巡り備えた、
ウニの目利き十一代目 天野準一の探求
福井県ではバフンウニが激減し、海女の数も減少しています。そのため、汐うにの生産は今、大きな危機に直面しています。原因は、異常気象による海水温の上昇が生態系に影響を及ぼしているためだと考えられています。
こうした状況の中で、十一代目 天野準一は日本全国のウニ産地を巡り組合や漁師、養殖業者と直接対話を重ね、素晴らしい人のつながりを得て良質なウニを仕入れております。

また、同じ産地でも仕入れの時期によって微妙に変わる味の違いを見極め、どの地域の浜が、どの時期に最も美味しいウニを産するかというウニの情報を蓄積しています。一つひとつの浜ごとに時期の違うウニを五味や食感ごとにチャート化。その記録をもとに、ウニと塩の相性を何度も試しながら、美味しさの可能性を探求し続けています。
雲丹ブレンダーが決める味、重要な塩選び
天たつには、天野社長を含む3名の「雲丹ブレンダー」が在籍しており、彼らは汐うにのソムリエともいえる、毎年の天たつの味を決める重要な役割を担っています。
初めて入荷する産地の生うにに対しては、雲丹ブレンダー3名で確認し、味見を行います。その際、数多くある塩を使い20種以上の汐うにを作り、その中からその浜のウニの味わいに合わせた最適な塩を見つけ出します。美味しさを決めるのはウニだけではなく、塩も決め手になります。
塩を振るとウニから水分がにじみ出てきますが、この水分をしっかり抜くことが、旨みを凝縮させるために大切なポイントです。塩振り後のウニは、数百個単位で並べられ、定期的に状態を確認します。崩れやすく繊細なウニの身を、スタッフは手作業で丁寧に裏返していきます。[2t1]
出来立ての味わいを提供する汐うにもあれば、熟成をし旨味を重ねる汐うにもあります。
雲丹蔵では、汐うにづくりに欠かせない工程のひとつとして、3つの温度帯を使い分けながら熟成を行います。熟成期間は半年から1年だけでなく、長いものでは10年以上にわたるものもあります。
年に一度、雲丹ブレンダーたちは100種類以上にも及ぶ産地や熟成年の異なる汐うにを試食します。その中から、熟成によって旨みが増したものを選び抜き、配合比率を調整しながら練り合わせていきます。こうして誕生するのが、天たつの『越前仕立て汐うに』です。

塩選び-まろやかな熟成と深い磯の香りを引き立てる
ウニそのものの味を引き立てるのは塩にこそあると確信し、日本中、世界中から塩を取り寄せ、仕入れた浜ごとのウニの味わいに合わせて塩を変えて製造しております。
それぞれの浜の特徴を見極めて塩を選び、乾燥を重ねることで旨み、甘み、苦みの均整のとれた美味しい汐うにに仕上がり、まろやかな熟成と深い磯の香り、ねっとりとした雲丹の余韻をお楽しみ頂けます。

製造汐うに創製に関わる
伝統技法と革新
江戸から続く、越前仕立て汐うにの伝統と革新
江戸時代、天たつ三代目の天王屋五兵衛は、福井藩主・松平治好公の命を受け、「戦時中に日持ちする貯蔵食の開発」という御用命を賜り塩蔵法による汐うにの製法を考案いたしました。バフンウニの卵巣を殻から丁寧に取り出し、塩をまぶして水分を抜き、まろやかに熟成させる製法を越前海岸一帯に広め、浜の年貢としてお城に納め、「塩雲丹」「越前雲丹」また「日本三大珍味のひとつ」と呼ばれるようになりました。以来、天たつは二百二十年以上にわたり、この製法を守り、伝えてまいりました。
現在、「塩雲丹」を「越前仕立て 汐うに」と名付けお届けしています。
全国各地でその季節ごとに獲れる、最上級の国産ウニを厳選。十一代目 天野準一が産地ごとの味わいを見極め、塩加減、熟成温度と期間、さらにはブレンドによる豊かな旨味の引き出し方にこだわります。
塩選びや味わいの吟味は、まるでソムリエのような目利き。熟成は、ビンテージワインのように何年もかけて変化を見極め、常に最高の状態で出荷いたします。
この手間ひまはすべて、ただただ美味しい汐うにを作り出すため。江戸時代からの技法と現代の食品加工技術を掛け合わせ、「汐うに」が美味しく仕上がる瞬間を追求しております。

外部機関による検査とトレーサビリティー
天たつでは、食の安心と安全を確保するために「賞味検査」と「トレーサビリティー」を重視し、厳格な衛生管理に取り組んでいます。
「賞味検査」では、一つの商品がどのくらい美味しく食べられるかを明らかにするため、保管条件を設定します。最長で2年にわたり、常温・冷蔵・冷凍といった温度帯ごとに検査を実施。商品の外観、香り、味、食感などを、人の五感を使って丁寧に評価します。この官能検査は、店主である天野をはじめ、製造スタッフ全員で行います。
あわせてすべての商品について外部機関による細菌検査も実施し、科学的な裏付けと合わせて、安全性を確認しております。
どこで、誰が採取したウニなのかを明らかにするための「トレーサビリティー」にも取り組んでおります。入荷したウニなど全ての原料について、産地を漁港や浜、漁師ごとに記録します。
一つの商品に使われる原料が「いつ・どこで・誰が」漁獲や生産を行い、そして「いつ・どこで・誰が」加工したのかを、すべて追跡できるよう情報を管理。出荷から流通に至るまでの経路を明確にし、商品ラベルや店頭でのご案内を通じて、お客様に正確な情報をお届けできるよう努めております。

私たち天たつは、二百二十余年にわたり受け継いできた伝統製法を守りながらも、現代の品質管理基準を導入しています。HACCPをはじめとする国際基準にも対応し、歴史に培われた職人の技と、科学的な管理の両立を実現。一年を通して美味しい雲丹商品をお届けいたします。



