未来に継ぐ、天たつの想い

こんにちは
御雲丹商 天たつ 十一代目店主 天野準一です

先日、福井県事業承継引継ぎ支援センター様より、事業承継についてのお話をお聞きしました。

3つの承継「資産の承継」「人の承継」「(目に見えにくい)経営資源の承継」があり、渡す側と受け取る側で良くコミュニケーションをとることが大切であるというお話。

私の話でいいますと、2016年に父から事業を引き継ぎ今に至ります。

大学入学より東京に住んでおり、29歳で福井に戻ってきたのですが当時私がいなくとも会社の仕事が回るように仕組みができており、それまでやっていなかった新しいことをしなければいけない、という漠然とした悩みをもちながら仕事をしていました。

東京に住んでいたことと、東京で修業をしていた際に百貨店内での商いを勉強させていただいていたこともあり、当時の天たつでは季節のギフトカタログに商品をのせているだけだった百貨店との取引を広げようと考え、催事に参加をし始めました。

福井県物産協会でいくつかの百貨店を回る中で、百貨店とのご縁もひろがり、催事にでることも増え、またギフトの取り扱い、百貨店各店舗での商品の常設取り扱いなどが増えていきました。

商品をつくながら、店舗にも立ち、忙しい毎日を過ごす中で、父との意見の違いなどもあり社長となって会社を進めていきたい、と想うようになってきたときに、当時お世話になっていた会計士に相談をしたところ、父とも年が近いこともあり事業を承継するように私から話をしてみよう、と協力をいただき、父と会計士と私、3人で話をしその場で事業を渡す、という話になりました。

後で聞いた話ではありますが、父も事業を早く渡した方が良いと考えていたようで、同じ思いで日々を過ごしていたようでした。

父との話を終え、2016年9月に社長をかわるという話になり、それまでは個人商店であった天たつを、この機に株式会社にしようと父と話をし、9月に法人成をおこなうこととなりました。

春になり、全社員に社長交代をおこなう、という話をしたところ驚いたことに社員が1人、また1人とやめていきました。

気づいたら販売の社員数が半分になっていました。

今となって考えると、世話になった前社長が身を引くタイミングはやめやすい時期であったのかもしれません。

当時はなぜこんなに人が辞めるのかと大いに悩んだものでしたが、あわせて残ってくれた社員へのありがたさを今でも感じています。残ってくれた皆を中心に若手が育ち今が在ることを考えると、代がかわる際に必要なことなんだったんだろうと思います。

また、自分の中の面白い変化もありました。

社長になると決まる前は、自分の思うように事業を行いたいという気持ちがあったのですが、父から代を受け継ぐと決まった瞬間から、どうやって次の代につないでいこうという想いを持つようになりました。

私で十一代目のため、次につないでいかなければいけないという責任も感じますが、代々つないできた商いへの想い、美味しい雲丹を提供するという気持ちを、未来につないでいきたいという想いが生まれていく感覚が、自分の中に育まれていく感覚でした。

代を受け継ぎ、この想いをどうすれば未来につないでいけるかを考えたときに、お金は残らない、物も残らない、人もいずれは老いる、であれば何が残るのか、それはやはり想いであると思いいたり、想いを言葉にするために、会社の理念や目標をさだめ、毎日皆で唱和をするようになりました。

想いが習慣となり、習慣が風土となり、百年後、二百年後にも、美味しい雲丹が楽しまれる世界を作りたいと願い活動する天たつであり続けられますよう、これからも精進してまいります。

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