天たつが一年を通して、汐うにを販売する理由

こんにちは

雲丹商 天たつ 十一代目店主 天野準一です。

天たつでは一年を通して「越前仕立て汐うに(以下汐うにと記載)」を取り扱っております。

先日知人より「今って汐うに販売していますか?」と聞かれました。

実は、お客様とお話していてもよくご質問頂きます。

そして、決まって聞かれる方は福井のバフンウニ漁が1年のうち7月21日から8月のお盆のころまでしかしていないという福井の雲丹の事情をよくご存じの方が多いです。

汐うには、バフンウニの卵巣(生殖巣ともいい、一般的に生うにと呼ばれる部分)に塩をふりかけ水分を抜いて1個のバフンウニが1gになるまで凝縮してつくります。

過熱をせずに仕上がるので、もともとバフンウニの持つ消化酵素が生きたまま汐うにとなるため、時間が経つと自分自身を消化分解していきます。

この自己消化こそが「熟成」であり、味わいをまろやかに旨味を豊かに変えてくれるものです。

私共天たつは、8月だけはその年にとれた、各浜ごとに違う旨味を持つ汐うにを練り合わせて旨味を重ね「新物汐うに」として販売いたします。

それ以外の11か月間は各浜の汐うにをその特徴に合わせて1年から3年間熟成させたものを練り合わせ、旨味を重ね販売しております。

新物には作りたてらしい爽やかな旨味と磯の香りを感じる味わいが、熟成品にはまろみを帯びた奥深い味わいが、それぞれに楽しめるのが汐うにです。

私共天たつは、時間が創る汐うにの味わいとその変化を、日本にある美味しいお酒や季節の食材との味わいの相乗効果とともにお楽しみいただきたく考え、11か月間の熟成した汐うに、1か月間の作りたての汐うに、両方を時期を変えて取り扱いさせていただいております。

雲丹を好まれる皆様の時間が、より豊かになりますこと深く願っております。

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