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2013/1/7 越前うに屋11代目 新物海鼠腸(このわた)で考える旬

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銀だら西京漬
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越前雲丹(えちぜんうに) 天たつ 
おはようございます!
福井では少し前に降った雪も最近の雨でだいぶ溶けてきました。
こんな時は朝晩雪が凍り足元が悪くなります。
皆様ご注意ください。
今週半ばから雪が降り始めそうな様子です。
たまっている雪が凍りになり、根雪となって雪が積もっていくととっても頑丈な雪になります。
雪かきなど腰の折れるお仕事が増えるかと思いますがお体にはご注意くださいませ。
昨日も自宅で妻と二人でお酒を飲んでおりました。
二人といっても飲んでるのは私だけで、妻は紅茶で付き合ってくれている感じでしたが、お酒のみの私は一緒に飲んでいてくれるだけで嬉しいんです。飲んでるものは問いません。
写真
酒の肴には新物の海鼠腸このわた)。
昨年末にとれ始めた日本海の冬のナマコ。
真ん丸に太り、卵もたくさんついています。
そんなナマコの腸を塩漬けにしたものが「海鼠腸(コノワタ)」になります。
漢字を改めて見ますと面白いですね。
海のネズミの腸と書いてコノワタですもの。
天たつでは年間通してコノワタを扱っております。
新物の時期というのはナマコの腸のプリッと感が一年で一番強く、かみしめるごとに旨味が湧き出てきます。
鼻を抜ける磯の香も心地よく、お酒が進む進む。
飲みながら考えておりました。
今の時代旬のものという考えが薄れつつあります。
世界中から食が届くので年中どこかではとれているんですよね。
じゃあ食の「旬」っていつなんでしょう。
私の個人的な考えですが、食の旬というのは時期と場所の限定条件のもとに生まれるのではないかと思います。
もっというと旬とは「地域」にあるのではないかと思います。
私が住む北陸福井の地域にある旬。
それは北陸福井でとれたもの、作ったものを今その場で食べて一年で一番美味しい時、を旬というのではないかと。
極端に言いますと同じ食材でも日本中で旬の時期は地域それぞれにある、ということです。
もちろん外国でとれた原料が日本に根付いてなかなか旬の時期の分かりにくい食もあります。
それはそれで良しとして、日本の各地域で取れる食材に関してはその地域の持つ「旬」をしっかりととらえ、伝えていくことが地域の魅力につながるのではないでしょうか。
と、お酒を飲みながら、昨夜ぼんやりと考えておりました。