SHOJIN を頂く

こんにちは

福井雲丹商 天たつ 十一代目店主 天野準一です

昨日、福井開花亭様にて世界で活躍をされている料理人棚橋俊夫様による精進料理コースディナー SHOJINをいただきだきました。

福井は大本山永平寺があり、精進料理の根付いた土地。ただ、昨日のSHOJINはおなか一杯の満腹感と満足感のあるコースでした。

お話をお聞きすると、朝起きてからまずすることは、ゴマをすり鉢ですること。精進料理の基本はそこにあるといいます。そのゴマと上等な葛で作られたごま豆腐は絶品でした。ゴマのコクのある優しい甘みと何とも言えないプルプルもちもちとした食感が官能的な味わいを醸していました。

あえもの木の芽和えも絶品でした。朝堀りたてのタケノコを柔らかく炊き、それを木の芽和えにしてあるのですが、目にも鮮やかな新緑の逸品でした。ほっくりと柔らかい甘みのタケノコ、そしてその中に柑橘系のフレッシュな甘みと酸味が隠れており、甘みと旨味が絶妙の和え物。初夏の喜びを味わう口福の一品でした。

ちょうど今の時期、福井は新緑の季節を迎えています。山を歩くと本当にまぶしいくらいの新緑の緑があふれています。その福井の初夏の喜びが、この一皿に入っているようでした。

最後に出た菓子も絶妙で、スイカの葛饅頭の中に焼きナスの餡が入り、フルーツをよせた柔らかな寒天が添えてあり、その間に甘いワカメの川が流れている、そのような一皿でした。焼きナスの餡が全くしつこさのない甘みで、その香ばしさと甘みと濃厚なスイカの葛饅頭との相性がもう一口食べたくなるような後を引く味わいに。

合計9皿に及ぶお料理の数々は大変手がかけてあり、細かな仕事と気配りのされたお料理ばかりで、心もおなかも満腹満足の時間を過ごさせていただきました。

貴重な経験をさせていただきましたことに、心より感謝いたします。

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