こんにちは
御雲丹商 天たつ 十一代目店主
天野準一です
バフンウニが産地によって味わいが違う理由を知るために、今夏北海道を一周し産地を見てきました。
一般的に食べるものによってウニの味わいは変わるといわれております。その通りなのですがそれだけでは説明のつかないことがあります。
同じ地域で、同じ食べ物を食べているのに東と西の浜でとれるバフンウニの味わいが違う。福井の中でも同じような海藻が茂る浜でも、違う浜でとれると味が違います。
今回は北海道礼文島に行き、産地の方と話しながら検証をしました。
礼文島の北に位置する船泊浜と、西に位置する香深浜、小さな島なのですがこの二つの浜でとれるバフンウニの味わいは違った味わいです。
それぞれの違いについての細かい考察はまた別の機会にさせていただこうと思いますが、味わいが違う理由の一つに海水の水質があるだろうと思うに至りました。
海の中にはいくつもの流れがあります。
大きな流れとしては西の方から暖かな海水を運ぶ黒潮があり、それが九州にあたって日本海側に分岐した暖流が対馬海流。対馬海流は北上し、多くは津軽海峡を抜け津軽海流と呼ばれる暖流になり太平洋に流れ込みます。一部はそのまま北上し礼文島のあたりを通り宗谷岬を回りオホーツク海に流れ込み、宗谷海流と呼ばれます。
この暖流と、サハリンから流れてくる冷たい寒流リマン海流が下りてきてぶつかるあたりが礼文島があり、複雑な流れが生まれているのではないかと想像しています。
船泊浜で飲んだ海水は塩分が強いが、その奥に甘みと旨味が感じられ、複数種類の海藻を思わせるような芳醇な磯の香りを含んでいました。
香深浜で飲んだ海水は、同様に塩分は強く感じながらも甘みと旨味を感じる海水ではあるのですが、海藻のような磯の香りという点では船泊浜よりも淡い香りで、総じてマイルドな味わいを感じました。
実際それぞれのバフンウニを食べ比べますと、共通して感じる味わいとしては濃厚な甘みと旨味なのですが、磯の香という点で言うと船泊浜のバフンウニは本当に芳醇な磯の香を持ちます。香深浜は比べると磯の香りは控えめな分、甘みを強く感じられる味わいとなっています。
礼文島に住むバフンウニは利尻昆布を食べ育ちます。
ただ、バフンウニは雑食なので、利尻昆布以外にも手近な海藻を食べているので、その様々な海藻の味わいがウニの旨みをつくっているのは間違いありません。
海の流れと、山から流れ込む栄養素が豊富な川の水の流れによって、その海域に育つプランクトンがうまれ、海藻が育ち、それを食むバフンウニが、その海水の風合いをわがものとしながら育つ。
やはり、食べ物と海水によってバフンウニの味わいは育まれていくという考えは間違っていないように感じます。
ただ、近年礼文島近海の海水温度が高くなってきています。
その証拠として、10年前までは礼文島は夏は乾燥した気候だったのですが、近年は水温が上昇しているため夏になると霧が発生をしそのおかげで島の湿度が高くなっているそうです。まさにこの島で、気候変動が起きています。
バフンウニは海水温26℃を超えると生きていけなくなるといわれており、今期の礼文島のバフンウニは昨年の取れ高から見て、半分以下の漁獲量となっていました。
天たつは未来にも雲丹文化を残すための活動も行っていきますが、その話はまた別の時にお話をさせていただきます。
味わいの違うバフンウニに、世界中にある塩の中から最高の相性の塩を見つけだし、世界に一つだけの美味しい汐うにを創る。
私たち天たつは未来に雲丹文化を伝えるためにも、もっともっとウニの事を知り、大切に守り、これまでにない美味しい汐うにを提供していきたいと考えています。

