福井放送株式会社 専務取締役 営業本部長 白﨑明信様

2017.02.02

ここぞというお客様で珍味が好きな方への手土産というと、僕が思うに天たつさんの汐うにが良いのではないかと思います。

天たつさんの商品には、それだけのブランドなり福井のお土産としての価値があります。弊社の会長も好きです。安心感がありますね。きちんとした物を出していただけるという安心感と信頼感を天たつさんは培われてこられた。ただ、一番のウリである汐うには、あくまでも珍味なので好き嫌いがありますよね。 

 

某大学の名誉教授や、大切なクライアントと会食をした際、そのお店が作った汐うにが少し出ましてね。先方が汐うにを召し上がるかどうかを見ていたら「これ、なんておいしいの!」という言葉が出たので、女将さんをお呼びして「天たつさんに走って3つ買ってきて頂けませんか。」とお願いいたしました。貴重で吟味して作られている品物なので、口に合わない人に差し上げても結果が心配なのです。別の会食でも「福井の汐うにって美味しいですね。」という言葉があったので、それからはその方々が来られる時は天たつさんの汐うにがお土産です。

 

こういう例もありました。先だって、弊社の年賀会に某フィルハーモニー交響楽団のコンサートマスターの方々などが来てくださいまして、その時に社長から「天たつさんのお土産を出さなくていいか?」という話がありました。汐うには好き好きがあるので、関係者の方に「どうでしょうか?」というお話をしたら「今日来ているメンバーは、みんな酒飲みなのでおそらく大丈夫でしょう。」とお聞きし、天たつさんの汐うにを手土産にご用意しました。ここぞというお客様で、珍味が好きな方というと、僕が思うには天たつさんの汐うにが良いのではないかと思います。お酒を飲まれなくても、温かいご飯にのせて食べられておいしいと感じる方であれば問題ないです。

当社は福井県民に対して情報を発信するだけでなく、福井県外の方に福井の良さを知ってもらうことも使命です。

一方、汐うにが苦手な方に贈ってしまったこともありました。ある企業の役員さんで、わざわざ汐うにを食べられなかった旨の電話を頂いた事がありました。その時は「これは珍味なので、お口に合わなければ、どなたかに差し上げて頂ければ結構ですよ。」と申しました。せっかくなら値打ちものだと思ってくださる方に差し上げたいのですが、苦手な人にも食べて頂くにはどうすれば良いかという課題もありますよね。その点で、雲丹ふりかけ(粉うに)は、新しい取り組みとして良いのではないかと思います。もうひとつ、干うに。干うには、口の中に入れた時、瞬間的になにか物足りない感じがするのですが、酒のアテには良いですね。ウニが甘いです。我々は、汐うにに慣れてるので購入する際もその先入観で選びますが、汐うにをご存じない方で「ウニは嫌いじゃない。」という方には干うにも一つの選択肢だと思います。僕らは汐うにの方に行きがちですけれども。(笑) 
 
当社は福井県民に対して情報を発信するだけでなく、県外の方に福井の良さを知ってもらうことも使命であると考えています。福井の名所旧跡だけでなく、優れた食べ物については、直接お渡しし、説明することも私どもの義務であると思います。天たつさんのラインナップに(汐うにはちょっと難しいかもという方に贈ることができる)他の品物があると良いかと思います。去年の年末に九品膳という商品をいくつかプライベートで買わせて頂いたのですが先様にも喜ばれました。汐うにを贈るのがちょっと心配な人には良いですね。
 
天たつさんの名前には信頼感があります。天たつさんのもみわかめも都会の人に喜ばれます。手土産を部署に持って行く時はお菓子等を購入しますが、東京のテレビ局などのプロデューサーやディレクターなど一対一で話をするため会いに行く方にはこういう海産物を持っていくことが多いです。そういう時のために、3000円、5000円でセット商品をつくっておいていただけると助かります。ただ持っていく時に何が入っているか分からないと困るので、3000円ならこれが入っている、5000円ならこれが入っているというのが想定できるとすごく助かります。もしできたら高級な物から買いやすい価格帯の物まであると嬉しいです。

常に時代を見て、消費者が何を求めているのかを考えて
商品を作っていく。老舗が何百年も続いている理由は
そこにあると思います。

天たつさんは昔ながらの汐うにだけでなく、様々な新しい取り組みをされておられる様ですね。ワカメや鮮魚の処理も非常に丁寧だと思います。私が一番好きなのは、いか黒づくりです。妻がなかなか買ってきてくれなくて(笑)。いか黒づくりは、いかすみを使っていて全国的には富山の物が知られていますが、福井でも何十年も前から流通していますね。天たつさんでも作っていると分かったのは、たしか10年か15年前でしょうか。
 
実は、私の家も食べ物を扱う商売を100年以上やっておりました。天たつさんのいか黒作りは、何日かたってから食べても素直な良い味わいで、口に入れた時に違和感が全くない。いい品物を作っておられるなと思います。私がそういう家で育ったもので、魚は美味しいのが当たり前でした。お客様の宴会に出すのと同じ物を晩御飯で食べて育ったので、外食した時に「口に合わない。」と思うことはよくあります。そんなネガティブなことを思わないで食べられる品物の一つが天たつさんの品物です。

 

時代は変わるし人の味覚も変わる。それに老舗も経営を成り立たせなければいけません。食べ物に関していうと、どの老舗も100年前と今とでは微妙に味が変わっているそうですね。それは老舗である天たつさんの伝統としてしっかり伝わっているのではないかという気がします。常に時代を見て、消費者が何を求めてるのかをちゃんと考えて商品を作っていく。老舗が何百年も続いている理由はそこにあると思います。全部を変えたら抵抗がありますから、少しずつ少しずつ。それが定番の商品で変えていくのか、新しい商品を作っていくか、その時どきの判断で進めていくしかないのではないかと思います。ちょっと天たつさんを褒めすぎでしょうか(笑)。天たつさんの品が自分の大事なお客様に手渡す時に「これはいい物だ」と自信を持って渡せる商品でなくなった時、そのお客さまは違う商品を探しに離れて行くと思います。天たつさんの顧客は味にうるさいでしょうからね。私も時折味を見て「天たつさんの味、今ひとつじゃないか?」と思ったら買いませんからね。

これからは若手起業家やビジネスマン、若い役員などが
新しいカスタマーになりうるのではないかと思います。

福井の人たちは「天たつ」という名前はご存じだと思います。でも、その人達が常時購入をしているのか、何年かに一度の購入をしているかはそれぞれだと思います。何年か一度のお客様が恒常的に買ってくれるようにするにはどうすべきか、という考えも必要になるかと思います。新宿伊勢丹本店で催事をされておられると聞きましたが、それは良いと思います。インバウンド増加のこともあるし、これから福井にも新幹線が通るようになれば市場拡大も期待できます。そういえば、中国人にアンケートを取ったというクイズを先日見かけまして「日本で行ってみたい場所」の9位が福井県でした。交通機関の整備など現時点では諸事情あると思いますが、今後は旅行者も増えていくでしょう。そこで想定される宿泊先や飲食店などを調査して、タイアップしながら少しずつ食べてもらうと良いのではないでしょうか。さらに気に入ったら天たつさんに買いに行ってもらうというルートをつくり始めれば、4~5年後に効いてくるのではないかと思います。

天たつさんはお店の雰囲気も良いです。特に片町本店のスタッフの方達は丁寧で格好も上品で小奇麗です。見た目は大切です。お店で働く人の統一感や清潔感、特に食べ物で商売をしているところは大事です。言葉の使い方も丁寧ですね。ベタベタの福井弁でもないのが良いです。強いてご意見を申し上げるなら、本店のディスプレイをもうすこし整理整頓をされても良いかもしれません。汐うには、保冷材など使わず常温でこのまま持って行ってお渡しできるというのが良いです。手持ちで魚の干物というわけにはいかないので。贈答目的の8割のお客さまもしっかり見ながら、新しい商品を少しずつ5年~10年のスパンで作っていくという形でなさったら良いのではないかと思います。きちんとしてない店、嫌いな店には一切こういう事は言いません。きちんとしていて信頼しているお店には嫌味を時々言います(笑)。天たつさんのお名前をもっと広げる努力をした方が良いかと思います。

 

今から50年前には、福井市に住んでいる人はかなりの割合で天たつさんを知っていたのではないでしょうか。もしかしたら今はそのパーセンテージは減っているのではないかと思います。特に若い人に対して。80%の人もいつまで80%なのか、購入している人の年齢層のデータがあるなら、若い人たちも引き続きその80%に入ってくれるような手段を考えないといけないかなと思います。少なくとも、私達はいつまでもファンでいますから。これからは、若手企業家やビジネスマン、会社の若い役員など、そういう人が新しいカスタマーになりうるのではないかと思います。ぜひ、そういうターゲットを開拓してください。旅行に行ったら、旅行先の一番旨い物を食べたいという高級志向の層はいるのではないかと思います。
 
いろいろと言いましたが、そんな大げさに考えず丸く考えてください。なんでも四角四面になると窮屈になるし、いいアイデアも出なくなります。丸い考えをもって社員みんなに入ってもらって、いろんなアイデアを考えていく方が良い結果が出ると思います。これからもぜひ頑張ってください!

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