中山グループ各社 代表取締役 中山浩行様

2016.11.14

社長が持っていく手土産は、この人とつながりたいから持っていく。

お近づきになりたいという意味合いが強いと思います。

天たつさんの雲丹は小さい時から家にありました。父が福井の観光協会に入っていたからでしょうか。大人になってから手土産を持っていく機会があり、父親から「他の店のものでなく天たつさんで買え。」なんてことを言われたことがありました。ビール屋さんと取引がありまして、ビール屋に酒を持っていくわけにはいかないので、幹部の方に汐うになどを持っていった記憶があります。事務所には羽二重餅を大量に持っていったのが25年くらい前の話になります。

 

手土産には取引という意味合いもあるけど、社長が持っていく物は「この人とつながりたいから持っていく。お近づきになりたい。」という意味合いの方が強いと思います。その先に取引、利益ということも考えなくはないですが、個人的に渡すのであれば「福井出身の中山という奴からもらった。」というつながりを深めるという意味合いが大きいですね。酒好きの人に酒を持っていくのって、別に見返りを求めてるわけでもないですし。これだけ福井を売り込んでいるのだからブランド大使になってもいいくらいですね。(笑)

 

私自身も個人事業の時代を入れて3代目になるので、(天たつの)天野さんの気持ちはよく分かります。事業というのは、変えて良いことと、変えてはいけないことがあると思います。事業承継は親の作ったものを引き継ぐということで、どれくらいの比率で先代が作ったものを受け継ぐかを考えるという点で、他人事でなく捉えられることができます。弊社と違い、天たつさんは食文化を扱っている商売なので選択はより難しいのではないかと思います。

 

自分で何かを作り上げた方に直接話を聞くのは大事です。何かを作り上げた人というのは、2代目であっても勉強になります。私も人から創業に至った経緯とか、苦しんだことなどを聞いて自分なりに情報を整理しています。弊社のグループ会社は5社ほどあって、本体の事業はさほど変わってなくても、グループ会社が変化し続けています。例えば日本海産業というグループ会社は、北陸地方が日本海に面しているから名付けました。いずれ、北陸全域を視野に入れようと。最初は海産物問屋と間違えられたものですが。(笑)

お客様の嗜好の多様化を感じます。

自分の思いや社会からの要請をどうアレンジしていくかが大事です。

 

いくつもの商売をするのはリスクヘッジを考えてのことです。単品の商品で儲った方が経費は少なくすむのでしょうが、そんな商売が何年も続くとは思えません。いくつも柱を持っておけば、何かあった時の助けにもなります。また私自身がいろいろなことをやってみたいですし、やらないといけないですし、お客さんの嗜好も多様になっていると感じます。自分の思いや社会からの要請をどうアレンジしていくかが大事です。歴史を学ぶことで「やって良かった選択」「やらないでも良かった選択」の二通りがあること、そして、どちらともつかないグレーゾーンがあることが分かりました。やらないことで後悔したという選択もあって、多面的に歴史を学んだり人に話を聞いたりすると勉強になります。

 

福井に来てくださるお客様の手土産を選ぶ上で「福井のカラーを出したい」ということを意識して「北陸」「福井」と名の付く土産をわざわざ選んでいる傾向があります。例えば、菓子なら羽二重餅、先方がお酒好きなら、魚、カニ、ワカメなど。食で福井の良さをアピールしたいと考えています。決して高級な物でなくても、福井の物にはこだわりたいです。食にこだわる方なら、海の物なら海産物、山の物ならサトイモなどを持っていくとトップの方に喜ばれます。うちは、父親の先祖が結城秀康に仕えていた家系という筋でして、手土産や贈物には小さくても大きくてもいいから「福井の伝統」を受け継いでいる物を持っていきたいと思っています。天たつさんの品は物自体が伝統を醸し出していると思います。天たつの伝統、信用を基に品物を選び、先方に手渡しています。

 

事務所の皆さんで食べて下さいというような手土産を出すなら、天たつさんの商品もスモールサイズというか、量的にもう少し小分けにして、開いた時に相手が困らないようなパッケージング、レイアウトが出来るといいかもしれません。

三重県のお客さんに手土産を贈る時だったと記憶していますが、天たつさんに他のお店で購入した日本酒や羽二重餅などを持ち込んで、天たつさんのラッキョウや汐うに、ワカメなどと詰め合せて一緒に箱詰めして頂いたことがありました。先方がすごく喜んでくださいましてね。酒好きの人にはこたえられなかったらしく、翌日すぐ御礼状が来ましたよ。「俺の好みが全部入っているよ。」ってね。

天たつさんの汐うにを使う理由のひとつに桐箱入りというのがあります。

小さくても高価だなと感じさせてくれる。

天たつさんの汐うにを使う理由というのは、ひとつに、桐箱入りというのがあります。小さくても高価だなと感じさせてくれる。商品は小さくていいと思います。自分が頂く汐うには、立派な箱に入っている小さな物という見せ方がプレミア感がある。開けてさほど日数がたたない間に消費できるくらいの高級雲丹、という売り方をしてはどうでしょうか。みんな物に飽きているから、ジュエリー感覚といった感じでしょうか。キャビアみたいな感覚で食べ切りサイズにしてしまう。「家族4人で食べたら1日で終わってしまった」といったように、個人的にはもうワンランク上のプレミアム感ある食べ切りサイズというのがあってもいいのではと思います。

 

ティファニーのブルーのパッケージとか、すごくベーシックで小さくてトレンドを追わないスタイルですよね。ラッピングなんかも、チョコレート感覚でリボンなんかがあったらギャップがあっていいかもしれません。宝石のような受け取り方をしてもらえるのではないでしょうか。

 

飽食の時代だからでしょうか。「おいしいけど食べ切れない」という声をエグゼクティブから聞くのは事実です。プレミアム感と言っても、どこまで質感を上げていいのかは分かりませんが、成熟社会の中で、大きい物・重い物を贈ってもあまりうれしがられないのではないかと思います。

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