日別アーカイブ: 2020年12月14日

多様な雲丹の美味しさをお伝えしたく思います

こんにちは

雲丹商 天たつ 十一代目店主 天野準一です。 

本日あるレストランシェフとお話をさせていただき「天たつの雲丹と出会って、雲丹のポテンシャルの高さに驚いている」というお声をいただきました。

私共天たつでは、越前仕立て汐うに(以下汐うにと記載)という商品をつくるために、40近い浜のバフンウニを塩蔵法という加工法で汐うにを作ります。バフンウニの生うにに塩をふりかけ、水分を抜き、1個のバフンウニが1グラムになるまで凝縮します。それぞれの浜ごとにバフンウニの味わいが違うため、塩の加減も違い、また熟成をする期間も最長で3年ほどの期間の中で、それぞれの汐うにの熟成の具合を見極めて良いタイミングでブレンドし、旨味を重ねて作っています。

浜ごとに全く違う味わいを醸すという雲丹の味わいの多様さは知れば知るほど興味深いものがあります。使う調味料は塩だけか、使って砂糖を使うのみ。後は熟成などの時間のかけかたの違いや水分量の違い、形状の違いなどで味わいは全く異なるものになります。

ただいま私共は料理人の皆様にもお喜びいただけるようになりたく、汐うにの味わいの多様さなどを使い、調理食材としてのいろいろな雲丹をご提供しています。

汐うにを作るときに出るバフンウニのエキスだけで作る塩「うに塩」は磯の香りが豊潤で卵料理などと併せていただくと美味です。

また、汐うにを薄く延ばし低温で乾燥した「のし雲丹」は口の中で味を感じる時間が早く、かつ長く風味が残ります。生のお刺身と併せたり、野菜のミルフィーユ料理などに挟んでいただくと、雲丹は見えないけれども磯の香がひろがるという不思議な感覚を味わっていただけます。

バフンウニを干すことで甘みを凝縮した「干うに」はチーズやドライフルーツなどと併せて、ワインやシャンパンと併せていただくと大変美味しい雲丹です。

「たれ雲丹」はバフンウニを塩と砂糖だけで水分を抜き凝縮させた甘み濃い雲丹のソースで、蟹、イカ、エビなどとの相性が良く、また牛肉サーロインにあわせるとすき焼きのような方向の味わいを醸します。

ほかにも、いくつもの雲丹の商品がありますが、それぞれに味わいが違い、使うシーンによっていろいろな雲丹の良さを感じていただけるものとなっています。

私共天たつは、バフンウニのまだ知らない美味しさを見つけ、皆様にお喜びいただけるようにご提供したいと考え、今でも日々研究をしております。

私共の祖先が福井藩主松平様の命により汐うにを開発し、お納めした際の想いである「ただただ喜んでいただける、美味しい雲丹を創り続ける」をこれからも叶え続けられますよう精進してまいります。