日別アーカイブ: 2011年2月18日

2/18 包む

おはようございます。
今朝の福井は雨。
東京では昨日まで晴れていたのに、今朝はすごい雨が降っているとのこと。
こうして、少しづつ春が近づいてきているのでしょうね。
本日も天たつ片町本店越前仕立て汐うにずぼがに販売】は9時~18時で営業しております。
今日も一日よろしくお願いします!
さて、
「物を包むことは、心を包むことである」
直木賞作家、故安藤鶴夫氏の言葉です。
東京都目黒区美術館にて「包む-日本の伝統パッケージ展」が開催されており、行ってきました。
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23年前に開催された同展に続き、二回目の開催となる伝統パッケージ展。
アートディレクター・故・岡秀行氏がご自身で集められた伝統パッケージを目黒区美術館が譲り受け、開催されたとのこと。
そこに弊社の、「越前仕立て汐うに 桐箱」を展示くださっており、お礼、ご挨拶と見学もかねて伺いました。
実は23年前の第一回にも展示くださっており、そこからのご縁でした。
目黒駅から歩いて10分ほどの静かな川沿いに、目黒区美術館はあります。
大きく、近代的な建物ではありませんが、外見も館内もとてもきれいで、親しみを覚える美術館。
近所の方が休みの日に美術館に行く、ということが日常にあるような、そんな印象です。
当日は晴れており、木漏れ日の中美術館への道を歩くのも、また心地よい感じ。
館内に入りますと、いくつかの区画に分けられてたくさんの「作品」がそこにありました。
素材によって区分けされております。
木、竹、笹、藁、土、紙
館内にて、目黒区美術館矢内様、佐川様より、説明をいただきます。
「ここにあるものにはすべて、物語があります。それは私たちが把握しきれないほどの物語なんです。」
そこにあるパッケージの多くは、人の手がたぶんにかかり、素材を厳選し、今で言う「簡易包装」とは見た目も作成行程も、程遠いものばかりでした。
しかし、そこにあるパッケージは自然の素材を使ったエコパッケージばかり。
その手のこんだパッケージは、一つの目的のために作られています。
あるお寿司のパッケージは、木を丁寧に丸くくりぬき作るのですが、その際、金属の刃物で切り出すと、金属の表面のざらつきが木の表面の美しい、木ならではの肌味を壊すため、特性の木太刀を使って仕上げます。
もちろん金属ほど容易に切り出すことはできません。
またあるお菓子のパッケージは、一枚の和紙を何回も何回も折り重ね、落ち着きのある「花」をイメージさせます。
その一つのパッケージを作るのに、(間違いなく人の手だと思います)どれだけの時間がかかっているのか。
蓋がお猪口の珍味を入れる独特の焼きつぼ、藁で編んだ日本の伝統家屋の形を模した豆いれ。
今の商品パッケージには、販売を目的とした、いわば売り手目線で作られているものも多いように思います。
しかし、ここにあるパッケージは贈られる相手のことを考えて作られたと感じました。
もともと物を運ぶ際に必要に応じてできた、「包む」という技術。
運ばれる「もの」は贈る人から贈られる人への気持ちを運びます。
パッケージもそうあるべきだと強く感じました。
今回も最後までお読みいただき、まことにありがとうございます。